食事介助のサービスは、訪問介護の仕事のなかでも重要な役割を担います。訪問介護の仕事では利用者の居住先へ直接伺って、日常生活に関する様々なサービスを提供します。

食べるという行為は人間の根源的な生理的欲求であると同時に、健康の維持や増進あるいは病気の予防や治療にも、大きく影響を及ぼします。そのため訪問介護で食事介助を担当するならば、基本的なポイントをしっかり理解しておくことが肝心です。

ただし一口に食事介助といっても、食事計画や献立を作ることから始まり、調理や盛り付け、そして配膳から洗い、さらには食材の買い出しに至るまで、その範囲も幅広く多岐にわたります。したがって食事介助を行う場合には、それぞれの作業ごとに効率よくポイントを抑えておく必要があります。

例えば調理介助では、利用者の嚥下力や咀嚼力など身体状況を把握することが大切なポイントです。その上で、食材を細かく刻んだりミキサーにかけて食べやすくしたり、味付けは塩分を避けて酢や香味野菜を使用して血圧の上昇を抑えたり、お茶や汁物もとろみをつけてむせないようにするなど、調理にも工夫が求められます。

また、利用者が食事をする際の介助についても、本人の身体状況やニーズをしっかり把握することが重要なポイントです。それに合わせて自力で食事を摂取する範囲が定まる上、自助具も最適なタイプを選んだり、食事の好みや量あるいは食べる姿勢といった細かい部分まで、介助者が詳しく把握することが可能になります。

そうすれば、より的確で質の高い食事介助サービスの実現にもつながるでしょう。